2021.06.24 up

[今月のRemind 6月編] 感謝の気持ちをあの人に。お中元の由来やマナー

6月も残すところあとわずか。そろそろお中元の準備に取り掛かりたい時期です。地域によって違いはありますが、お中元は7月半ば頃までに贈るのが一般的。

 

古くから続くお中元文化ですが、時代とともにそのあり方も少し変わってきている気がしませんか?ここで一度改めて、お中元の由来やマナーについて理解を深め、贈り物について考えてみましょう。

 

気軽に外出できない情勢だからこそ、お中元で日頃の感謝の気持ちを届けるのもいいですね。

 

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2021.06.01 up

ジメジメした日が続いて憂鬱な6月になりました。祝日がない6月は、なおさら気分も少し下がり気味。大きなイベントも少ないです…

ジメジメした日が続いて憂鬱な6月になりました。祝日がない6月は、なおさら気分も少し下がり気味。大きなイベントも少ないです…

 

 

そもそもお中元って何?

 

どんな習慣?

お中元とお歳暮は、日本人に馴染みの深い贈り物の習慣ですよね。
お中元は7月に、お歳暮は年末に、両親・義両親や親戚、職場の方、先生など日頃お世話になっている人に感謝の気持ちを込めて贈り物をします。
百貨店なども力を入れて催事場を設けたり、「サマーギフト」などと書かれたカタログを至るところで見かけたりと、夏のはじめの風物詩にもなっていますね。

 

 

なぜ「お中元」と言うの?

「中元」という言葉は、中国の道教に由来しています。年に一度、天官、地官、水官という三つの神を祀る道教の年中行事「三元」の一つでした。

 

上元 旧暦の1月15日 天官を祀る
中元 旧暦の7月15日 地官を祀る
下元 旧暦の10月15日 水官を祀る

 

地官は善悪を分別し人間の罪をゆるす神徳があるとされていたことから、7月15日の中元は様々な罪がゆるされる日とされ、その後、先祖の霊を供養する仏教行事、盂蘭盆会(うらぼんえ)が行われる日にもなっていきました。
また、日本には「生身玉(いきみたま)」という、健在な両親やお世話になった人に贈り物をする慣しがあり、このいきみたまと、中国から伝わった中元の時期が重なり、お中元の贈り物の習慣が形作られていったといわれています。

 

 

お中元文化の変遷

お中元でお世話になった人へ贈り物をする風習は、江戸時代に定着したといわれています。かつては、魚や米、小麦粉を子どもから親に贈ることが多かったようですが、明治時代になると、利害をもとに官史に対して高価なものを贈るような悪習も出てくるように。

 

その後も市場規模は拡大を続けますが、近年は縮小傾向にあります。特に仕事関係の方への中元などは、年賀状や暑中見舞いと同様に「心のこもっていない形だけの儀礼は辞める」という虚礼廃止の風潮の広まりから、会社として禁止にするところも増え、かつてはビジネス向けの用途が多かったお中元も、最近は親兄弟、親戚など家族向けの用途が大きな割合を占めています。

 

ライフスタイルの多様化や、人付き合いに対する考え方の変化の中で、お中元に対する考え方というのも変化し続けています。形だけのしきたりを見直し、本当にお世話になった人に、心を込めて選んだギフトを感謝の気持ちとして贈る形に変わってきているようです。

 

 

 

親しき中にも礼儀あり。お中元のマナーを押さえよう

 

贈る時期

贈る時期は、地域によって違います。関東は新暦でお盆を迎えるので、7月はじめから15日頃までに、月遅れで8月にお盆を迎える関西では、8月はじめから15日頃までに贈るものとされています。

 

 

どんなものを贈る?

お中元の品物に特に決まりはありませんが、食品が定番です。夏の暑い時期なので、そうめんなどの乾麺や、ビール、コーヒー、ジュースなどの飲み物がよく利用されています。

基本的には、相手のことを思いながら好きなものを贈れば良いですが、冷たいスイーツ、生鮮食品の場合はクール便などを利用することになりますので、受け取りに関しては先方の予定を伺っておくと丁寧ですね。日持ちもしっかり確認しましょう。

 

靴下などは「踏みつける」という意味合いで嫌う方もいますので、目上の方や年配の方へは配慮が必要です。アクセサリーなどの身につけるものも、好みを把握している近しい間柄の人だけにした方が良さそうです。

 

本来は風呂敷に包んで持参するのがマナーですが、今はネットショッピングや百貨店から直接配送という形も珍しくありません。県外への往来が難しい時期でもありますので、これらのサービスもぜひ利用したいですね。

 

 

表書きと水引

お中元には熨斗が必要です。水引は赤白の蝶結びになります。

表書きは、7月15日(月遅れの場合は8月15日)頃までは「御中元」、それ以降は「暑中御見舞」、目上の方へ品物の場合は「暑中御伺」になります。さらに立秋(8月8日頃)を過ぎた場合には「残暑御見舞」と「残暑御伺」になります。

 

 

お返しはどうするの?

お中元をいただいた場合、お返しをすべきなのか迷うところです。

基本お返しは不要ですが、もらいっぱなしで何もしないのはマナー違反です。お中元を頂いたらすぐに先方にお礼をしましょう。

お礼状を出すのが丁寧ですが、間柄によってはメールや電話などでも。

 

ただお返しをしてはいけないという訳ではないので、こちらも気持ちをお返ししたいと判断した場合は、お返しをしても問題ありません。相手に気を遣わせない程度のものをお返しすると良いでしょう。

 

 

 

以上、お中元の由来やマナーについてご紹介しました。

 

ひと昔まで盛んに行われていた習慣のように感じますが、その形や意味合いは少しずつ多様化しています。そんな中でも、心を込めて感謝の気持ちを形にするという文化は大切にしていきたいですね。

格式ばった場面では、しっかりとマナーを押さえておくとスマートで好印象です。贈る方も贈られる方も、負担なく、気持ちよくやりとりできるといいですね。

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