選日(せんじつ)
カレンダーには、さまざまな情報が載っていますが、その中に『選日』と呼ばれるものがあるのをご存知ですか?「さんりんぼう」「いちりゅうまんばいび」など、あまり耳慣れない言葉ですが『選日』の中から一般的なものをご紹介しますので、言葉の意味を知って予定を決める際の参考にしてみてください。
選日ってどういうものなの?
暦注に含まれなかったものは、選日だよ
『選日』は、さまざまな暦注の中に含まれなかったものの総称です。多くは、「十干十二支」の組み合わせから、その日を占い、吉凶が判断されています。「雑注(ざっちゅう)」ともいいます。
八専
(はっせん)
「壬子(みずのえね)」から「癸亥(みずのとい)」までの12日間。この間で日の十干と十二支の五行が同じ配当となる日が8日あることから『八専』と呼ぶ。吉はますます吉、凶はますます凶となるとされた。しかし、凶の性質のみが強調されるようになり、現在では、何事もうまく行かない凶日とされている。
三隣亡
(さんりんぼう)
もともとの由来ははっきりしないが、この日は大工さんたちの大凶日とされた。家を建てるなどの建築関係は忌むべき日とされている。文字通り「この日に家を建てると三軒隣まで滅ぼす」という意味がある。
十方暮
(じっぽうぐれ)
「甲申(きのえさる)」から「癸巳(みずのとみ)」の10日間をいう。この間で日の十干と十二支が互いに相剋(エネルギーを削り合う)となる日が8日あり、この間は何をやってもうまくいかないとされる。
天一天上
(てんいちてんじょう)
天一神(てんいつじん)という方角神が天上に帰るので、この期間は天一神のたたりはなくなるとされている。期間は「癸巳(みずのとみ)」から「戊申(つちのえさる)」の16日間のことをさす。方角を気にせず動ける期間で、旅行や引っ越しにもよき日といわれる。
一粒万倍日
(いちりゅうまんばいび)
一粒のもみが万倍にも実る稲穂となるという、まことにめでたい日のことで、何か新しいことを始めるのによいとされる。仕事始めや開店、種まきやお金を出すことによいとされる。しかし、この日に借金をしたり、物を借りたりすると後のちに苦労のタネが増えるとされているので注意。
不成就日
(ふじょうじゅび)
事を起こすにはよくない日、願いが成就しないとされる日とされている。とくに結婚、開店、子どもの命名、移転、契約などを凶とする。行動を起こすなら、この日は避けたほうがよい。
三伏
(さんぷく)
夏の時期の3回の「庚(かのえ)」の日は凶であるとする。それぞれ「初伏(しょぷく)・中伏(ちゅうぷく)・末伏(まっぶく)」といい、総称を『三伏』という。種まき、旅行、結婚などは凶とされている。
大土・小土
(おおづち・こづち)
「大犯土・小犯土」ともいい、土を動かすような行動は凶とされる。
十干十二支の組み合わせで、「庚午(かのえうま)」から「丙子(ひのえね)」までの7日間が「大土」、「戊寅(つちのえとら)」から「甲申(きのえさる)」までの7日間が「小土」と呼ばれている。地鎮祭、種まき、墓作りなどは控えよう。