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[今月のRemind 2月編] ひな人形の由来って?込められた意味や飾り方などを知ろう
2021.02.18 up
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2023.02.27 up
【季節の福だより】
季節ごとの福井の風景や文化、風物詩などを、福井県福井市に本社を構えるcalendiaが「福だより」としてお届けします。
二十四節気のひとつ「雨水」。
「立春」に続く2番目の節気で、2月19日から3月5日までの15日間をさします(2023年の場合)。
雪が雨に変わって雪解けが進み、日に日に春が近づく頃です。
雨水といえば、3月3日には五節句のひとつ「上巳の節句」があります。女の子の健やかな成長を祝う節句行事で、「ひな祭り」として現代でもお馴染みですよね。
今回は、福井県大野市のこの季節の風物詩、ちょっと珍しいひな祭りの様子をお届けします。
山々に囲まれ、福井県の中でも特に雪深い地域である大野市。
この日はぽかぽか陽気の2月下旬。まちなかは大分雪解けが進んでいましたが、山奥の地域はまだまだ雪に覆われています。
大野市のシンボル「越前大野城」は、雲海に浮かぶ天空の城として有名です。こちらはちらほら雪が残る程度。春ももうすぐ。
そんな大野市でこの時期行われているのが、2023年で11回目を迎える「越前おおのひな祭り」です。
会場は「平成大野屋 平蔵」。福井地震後の堅牢な構造技法の好例として国の有形文化財にも登録されており、趣を感じます。
意気揚々と足を踏み入れてみると、そこには20段のひな人形が!まさに圧巻の一言!
ここにあるのは、地元大野市の人形店のもとに集まった、家庭で不要になったひな人形。その数なんと約1000体!
最上段の内裏雛なんて、ほぼ天井です。
一般的な家庭のひな人形が7段なので、こんなにも見上げなければいけないひな人形は初めてです。
ちなみに最上段あたりが暗いのは、人形を傷めないように照明を落としているからなのだそう。
よく見ると、通常なら最上段である内裏雛の上に、仕丁が並んでいます。これも珍しい光景ですね。
人形が多すぎて、婚礼道具や御輿入れ道具は最下段の1段のみとなっています。
飾るのも大変そう…と思い会場のスタッフさんに聞いてみたところ、なんと人形屋さんの店主がお一人で全て飾っているのだとか!
実はここに飾られた1000体以外にも、別会場(後述します)に1000体、さらに倉庫にもまだまだあるそうで、どの人形をどんな配置で飾ろうか、一人で考え、並べているのだそう。飾るのには3日間もかかったとか。
20段に1000体のひな人形…気が遠くなりそうですね…。
作られた時代も地域もバラバラなひな人形。表情も衣装も千差万別で、眺めているだけでも楽しめます。
お気に入りの“推し人形”を見つけるのも楽しいですよ。筆者が個人的に気になった人形をいくつか紹介します。
周りの人形に比べて、小ぶりなサイズが可愛らしい内裏雛と三人官女。こちらは、この会場の人形の中で最も古い、大正時代のひな人形なのだそう。
この長い白髭は左大臣でしょうか?このような被り物をしている人形は初めて見ました。
三人官女の持ち物といえば盃と銚子だと思っていましたが、こちらは神楽鈴を持っています。
ひな人形は婚礼の儀式を模していますので、婚礼を祝う舞を披露していたのでしょうか。
一体ずつじっくり見ようとすると、時間がいくらあっても足りません。
上段の方は近くで見れないのが残念ですが、目の届く範囲を見渡すだけでも楽しく、表情や持ち物、衣装もこんなに多様なのかと驚くばかりでした。
圧巻の20段のひな人形とは別に、さらに1000体のひな人形が飾られているところがあると聞き、訪れたのは「道の駅 越前おおの荒島の郷」。
こちらには一般的なひな人形の他、ちょっと珍しい人形も飾られており、1体1体を近くでじっくりと見ることができます。
豪華絢爛、立派な御殿飾りのひな人形です。宮殿の中に内裏雛を配置した御殿飾りは、明治・大正時代に主に関西地方で見られたひな人形だそう。
歴史を感じるこちらは、座らずに立っています。江戸時代以前のひな人形は立っていて、座るようになったのは江戸時代から。
子どもが見たら泣き出してしまいそうですね…。
こちらは福井が誇る伝統工芸、越前和紙で作られています。和紙のぬくもりが伝わってくるような、優しい雰囲気のひな人形です。
個人的に一番気になったのは、こちらのカラフルな着物をまとった五人囃子。
いつ作られたものなのかはわかりませんが、まるで人気アイドルのメンバーカラーのようで、令和っぽさを感じます。
両会場は車で15分ほどで移動できますので、お時間に余裕のある方は2会場を回ってじっくりとひな人形を堪能してみてください。
今回は、福井県大野市で行われている「越前おおのひな祭り」の様子をお届けしました。
女の子がいなくても、自宅に人形を飾ることが難しくても、誰でも気軽にひな祭りを楽しめるイベントです。
家族みんなで訪れて、子どもたちにも伝統ある節句行事を伝えていきたいですね。
春はもうすぐそこまで来ています。
華やかなひな人形に、春風を感じに行ってみませんか?
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