2024.04.26 up
【穀雨】季節の福だよりー北陸新幹線開業!ー
【季節の福だより】
季節ごとの福井の風景や文化、風物詩などを、福井県福井市に本社を構えるcalendiaが「福だより」としてお届けします。
新緑がきらきらと輝き、初夏のような暑さに半袖をひっぱり出そうか悩むこともある今日この頃。
二十四節気の6番目の節気「穀雨(こくう)(2024年の場合4月19日から5月4日)」は、田畑のあらゆる穀物に恵みをもたらす春の雨が降るころ。雨が多くなりちょっと憂鬱な日もありますが、穀雨が過ぎれば次は夏の始まり、「立夏」です。お出かけにぴったりな過ごしやすい季節は、もうすぐそこまで来ています。
さて、この時期に控える一大イベントといえば、誰もが待ち望むGW!
旅行やお出かけの予定にワクワクしている人も多いことでしょう。
まだお出かけ先が決まっていない人にぜひおすすめしたいのが、3月に北陸新幹線が延伸開業した福井県!
今回の「季節の福だより」では、北陸新幹線で福井県を訪れた人を最初に迎える、県内に新たにできた新幹線の駅をご紹介します。
北陸新幹線敦賀(つるが)延伸開業で、今福井が熱い!
2024年3月16日、北陸新幹線が石川県の金沢駅から福井県の敦賀駅まで延伸開業しました。福井県民待望の新幹線がついにやって来たのです。
福井をPRできる「100年に一度の好機」とも言われ、県内はどこもかしこも歓迎ムード。
さて、敦賀延伸に伴い、福井には4つの新幹線の駅が誕生しました。
北から順に、「芦原温泉駅」、「福井駅」、「越前たけふ駅」、「敦賀駅」です。
各駅、地元をPRしようとさまざまな趣向を凝らしています。
そんな4つの駅を一つずつご紹介していきます。
恐竜にジャックされた!?「福井駅」
これまで東京福井間は特急と東海道新幹線を乗り継いで約3時間30分でしたが、北陸新幹線かがやきなら乗り継ぎなしで約2時間50分。
関東と福井がグッと近くなりました。
県最大の駅であり、新幹線開業に合わせて大きくリニューアルした「福井駅」。
その見どころを紹介していきます。
東口にはJR福井駅のサイン。訪れた4月中旬は散り始めの桜が美しい時期でした。
東口に新たに出現したトリケラトプス。
西口にはJRではない福井駅のサイン。
新幹線開業に伴い、JR在来線が「ハピラインふくい」に移管されたため、これまで「JR福井駅」だったサインが変更になりました。
ところで、東口にも西口にも恐竜の姿がありますよね。
福井県は、恐竜の化石発掘量日本一。年間来館者数60万人を超える福井県立恐竜博物館も人気で、福井県立大学では2025年に日本初の恐竜学部が新設(予定)されるほど。県全体で恐竜推しなんです!
この先も、嫌というほど恐竜が出てきますのでお楽しみに!
新幹線のりば。
県産木材や和紙を使用したコンコースは格調ある和の空間になっています。
福井駅のデザインコンセプトは「太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅~」。
フクイラプトルの全身骨格展示。確かに、悠久の歴史を感じます。
出入り口は、福井市にある一乗谷朝倉氏遺跡の唐門(からもん)がモチーフになっています。
開業記念で福井県×プラレール×JRのコラボジオラマが展示されていました。鉄道好きなお子様は大喜びですね。
新幹線駅舎に隣接して、福井市観光交流センターが新しくできました。
1階には、ガラス張りで光があふれる明るい「ふくい観光案内所」。どこに行こうか迷ったらぜひお立ち寄りください。
展示用什器にもさりげなく恐竜の親子が。
階段広場もあります。訪れた時は奇跡的に人がいませんでしたが、普段はたくさんの人がくつろいでいます。
観光交流センターにはカフェなどもありますが、ぜひ訪れて欲しいのが屋上広場。
ガラス張りのホームを外から眺めることができ、タイミングがいいと入線する新幹線を見ることができます。
もちろんここにも恐竜!ハートなんか作っちゃってラブラブなフクイティタンです。
そしてハートのモニュメントの中をよーく見てください。
なんと子どもまで。芸が細かい!
福井駅を訪れた記念に、福井県で発見されたフクイベナートルと一緒に記念撮影はいかがでしょう?
んんん?よく見ると越前がにを咥えています。シュールな一枚になりそうです…
屋上広場のベンチには、いろんな恐竜の子どもがいて、そばにあるQRコードを読み取ると、AR(拡張現実)でスマホ画面に巨大な恐竜が出現します!なかなかの迫力にびっくり!
床の滑り止めにまで恐竜。どこまでも恐竜がついて回ります。
西側のハピライン福井駅の方でも、同じようにたくさんの恐竜たちに出会えます。
こちらはコンコース柱のLEDビジョン。ティラノサウルスの3D広告になっており、今にも飛び出してきそうな迫力です。
西口前の恐竜広場。ここには福井で生息していたフクイラプトル、フクイサウルス、フクイティタン3体の実物大モニュメントが待っています。鳴き声や動きもあってとってもリアル!
駅の見どころを紹介しようとすると恐竜ばかりになってしまいましたが、他にも福井グルメを味わえるレストランやお土産ショップなどが充実した商業施設「くるふ福井駅」が3月にオープンしたばかり。福井旅行の際には、ぜひ福井駅とその周辺もゆっくり楽しんでくださいね。
旅のワクワク感高まる「芦原温泉駅」
福井県最北のあわら市。関西の奥座敷とも呼ばれる「あわら温泉」は、今年ちょうど開湯140周年。74もの源泉があり、旅館ごとに泉質や効能が異なるのが特徴です。
温泉にゆるりと癒やされる大人の旅は、ぜひ芦原温泉駅からどうぞ。
駅舎外観。シックで落ち着いた佇まいです。
「あわらの大地に湧き出でる贅の駅」がコンセプト。
県産木材をふんだんに使用した、木のぬくもりある構内になっています。
新幹線のりば。
コンコースの柱にも県産木材が使用されています。珍しい鉄材との組み合わせは、かつてこの地で製鉄が盛んだったからなのだそう。県の伝統工芸品である越前和紙を使用した行灯のようなデザインもポイントです。
トイレも同じように、県産木材と鉄材、越前和紙のイメージで統一されています。
改札を出ると、通路には恐竜の足跡らしきものが…
たどっていった先には、なんと恐竜が温泉に浸かっていました!なんともシュール!(ちなみにここはフォトスポット)
さて、恐竜に導かれたどり着いたのは、駅直結のにぎわい施設「AFLARE(あふれあ)」。
福井グルメを堪能できるカフェやお土産ショップのほか、あわらの魅力や観光情報の発信、街のにぎわい創出を担う施設であり、なかなかユニークな施設となっています。
AFLARE外観。
柱と軒天の造形が美しい「アフレア広場」。温泉地らしく、地下からあふれる源泉がモチーフなのだそう。なにやらイベントの準備が進められていました。
個人的に1番の見どころだと感じたのが、AFLARE内にある「ふくいミゅ〜ジアム」。温泉モチーフがあらゆるところに取り入れられた、福井について学べる体験型ミュージアムです。
大きなお風呂?これはなんでしょう??
水面がスクリーンになっており、桶を使って操作することで、あわら市の観光情報がぷかぷかとスクリーンに浮かび上がってきます。
温泉地ならではの仕掛けですね!
大きな湯桶は中に入れます。壁のスクリーンには、テトリスならぬユトリス!?
福井県の観光MAPとなっている壁には、タオルに描かれた観光情報が!
温泉のあらゆるアイテムが、ミュージアムでは情報展示に使われています。鏡の文字は触っても消えません!凝ってますね。
あると嬉しいキッズスペースは、県内有数の景勝地「東尋坊」がテーマ。冬の味覚の王者、越前がに抱かれるように写真も撮れますよ。
ミュージアムで福井県やあわら市について知識を深めてから街に繰り出せば、より充実した旅になりそうですね。
道の駅が隣接する「越前たけふ駅」
敦賀方面に向けて福井駅を出ると、次の駅は「越前たけふ駅」。
越前市はかつて武生(たけふ)という地名だったことからこの名前になったようです。
越前打刃物や越前和紙などの伝統工芸が盛んなまちで、今でも多くの工房で職人たちが腕を磨き続けています。
駅舎外観。越前市にはコウノトリが飛来することから、モチーフは翼を広げたコウノトリなのだそう。
外壁の一部は、越前瓦です。
越前たけふ駅は、県内で唯一、在来線駅に併設しない単独の新幹線駅。山里ののどかなロケーションも特徴です。
撮影していると、ちょうど北陸新幹線が入線してきてテンションアップ!
コンコースの天井は越前和紙の「流し漉き」をイメージしており、和紙の照明が和の雰囲気を演出します。
待合室には、越前和紙を使用した光壁が。風情のある空間ですね。
柱には、越前市の伝統工芸の越前指物が取り入れられています。
コンコースに展示されていた、一見本物のような水仙と桜。こちらはなんと越前和紙でできているそうです。
西口を出るとすぐそばには道の駅「越前たけふ」があります。
越前がにをはじめ、海産物の販売に特に力を入れているよう。福井の海産物は美味しいですよ!
越前市は、紫式部が都を離れ1年余りを過ごした地でもあります。大河ドラマ「光る君へ」に合わせて、紫式部にちなんだお土産もたくさん展開されていました。
道の駅にはもちろん越前グルメを味わえるお食事処も。駅に降り立ったら、道の駅も一緒に楽しんでください。
北陸新幹線の終点、日本海を望む「敦賀駅」
日本海に面し、古くから大陸と日本を結ぶ交通の要衝として栄えてきた福井県嶺南地方最大の港町、敦賀(つるが)。関西や中京へのアクセスもよく、「敦賀駅」は北陸新幹線から在来線特急への乗り換え駅になります。
駅舎外観。従来からあったJR敦賀駅の東側に新設されました。
デザインコンセプトは「空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅」で、敦賀湾の波の煌めきや豊かな自然をイメージした駅なのだそう。
東口の前には芝生広場が広がり、目の前を木ノ芽川が流れています。遠くには青々とした山並みが見え、まさに「自然に囲まれた駅」ですね。
落ち着いた和の雰囲気だった「芦原温泉駅」「福井駅」「越前たけふ駅」に比べ、敦賀駅はスタイリッシュで現代的。恐竜もいません。
とても長いエスカレーターがありますが、それもそのはず。駅舎の高さは約37m、 新幹線ホームは地上21mの高さで、どちらも日本一の高さになります。
改札の中には入れていませんが、コンコースの天井は北前船の帆を、ホームの待合室は船をモチーフに作られているのだそう。港町らしさが溢れていますね。
ホームからは敦賀湾を望めるそうです。
新幹線のりば。
在来線特急への乗り換え駅であり、スムーズな乗り換えのためになんと19もの改札機があります。整備新幹線の駅では最多なのだそう。
奇跡的に誰もいない写真ですが、きっと週末やGWには、大勢の人がこの改札を通ることでしょう。
さて、こちらは駅の西口を出たところ。新幹線開業に合わせて再開発されたエリアには、「otta」というにぎわい拠点施設が誕生しました。
気持ちの良い芝生エリアの両脇には飲食店やお土産店、子育て施設や書店などのテナントが並びます。新幹線に乗らなくても、日常的に遊びに行きたくなりますね。
ottaの中でもイチオシは「ちえなみき」。全国初の公設民営書店で、敦賀市と民間書店が手を組んで運営しています。
全国でも珍しい「文脈棚」で構成された店内には、まだ見ぬ面白い本との出会いが待っているかも?
敦賀にゆかりのある人たちが選書した本も並んでいるので、敦賀をもっと深く知りたい人はぜひ訪れてみてください。
敦賀には観光地もたくさんあり、街も見どころ満載です。乗り換えだけの予定の方も、お時間があればぜひ敦賀駅や周辺の観光も楽しんでくださいね!
ぜひ、新幹線開業に沸く福井へ!
福井県内にできた新幹線の4駅とその周辺を簡単にご紹介しました。
どの駅も、地域の魅力を駅舎に詰め込み、あの手この手でアピールしています。
もちろん観光の拠点でもあり、その土地ならではのグルメやショッピングも楽しめます。
駅を単なる通過点にしてしまうのはもったいない!旅の始まりや終わりに、じっくり駅を眺め、周辺を堪能してみませんか?
GWでもGWでなくても、いつでも福井県でお待ちしています♪