2025.01.01 up

福よ こいこい 縁起物 <1月>

日本には暮らしに根付いた「縁起物」がたくさんあります。

 

長い歴史の中で人々は、五穀豊穣、長寿、無病息災、商売繁盛、家内安全など、さまざまな願いや祈りを込めて「縁起が良い」とされるものを食し、飾り、身につけ、暮らしてきました。

その思いは今も大切に受け継がれています。

 

このコーナーでは、毎月季節にちなんだ「縁起物」をご紹介。

招福開運を願って、気軽に暮らしに取り入れてみてくださいね!

 

 

 

 

1月の縁起物① 鏡餅と鏡開き

 

鏡餅

 

季節の行事や人生の節目に欠かせないお餅。

 

古くからお米には神様の力が宿ると信じられており、そのお米をついて固めてできたお餅は特別で神聖な食べ物。

そんなお餅を食べることで、その神聖なパワーにあやかっていました。

 

お餅の縁起物は色々ありますが、代表的なものといえば「鏡餅」。

みなさんのお宅にもこのお正月に飾られているのではないでしょうか。
神社の御神体である鏡を模して丸く整えたお餅を年神様やご先祖様にお供えすることで、依り代(神様がよりつく対象物のこと)として、鏡餅に年神様の御魂が宿ると考えられていました。

 

そんな鏡餅をいただくことで、年神様から新しい力を授かろうというのが1月11日の「鏡開き」。

神棚や床の間などから下げた鏡餅をお汁粉などにしていただき、家族の無病息災を願う年中行事です。

 

子どもと一緒に鏡開き

 

年神様とのご縁を断ち切らないよう、刃物は使いません。木槌を使って細かくします。
小さくなったお餅はかき餅にしても美味しいですよ。

 

詳しくはこちらをチェック!

 

 

ちなみに、子どもたちのお正月の楽しみである「お年玉」は、かつては鏡開きで細かくしたお餅でした。

お金を与えるのが一般的になったのは、昭和30年頃からなのだそう。

 

せっかく鏡餅を飾ったなら、1月11日には家族みんなで鏡開きをして年神様のパワーを頂戴し、今年一年の運を開きたいですね。

 

 

 

 

1月の縁起物② 小豆粥

 

小豆粥

 

1月にいただくお粥といえば、有名なのは「七草粥」。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの七草を粥にして、1月7日の人日の節句にいただくならわしです。

スーパーにも七草粥セットが並ぶなど、広く知られていますよね。

 

でももうひとつ、1月にぜひ味わいたい縁起物のお粥があります。

それが小正月に食べる「小豆粥」。

 

1月1日の「大正月」に対して、1月15日を「小正月」と呼び、昔は元旦から小正月までを松の内としていました。
月の満ち欠けを元にしていた旧暦では、15日はおよそ満月にあたります。

1月の最初の満月の日を、1年の始まりとして祝っていたことの名残りが小正月です。

 

日本各地でさまざまな行事が行われており、代表的なものには「どんど焼き(左義長)」がありますが、小豆粥もそんな小正月のならわしの一つ。

小豆の赤には魔除けの意味があり、一年の邪気を祓う縁起物として、お正月に残ったお餅を入れて1月15日の朝にいただきます。
七草粥を食べて小豆粥を食べないことを「片粥」といって嫌う地域もあるのだとか。

 

年末年始のごちそう続きで疲れた胃腸にも優しい小豆粥。ぜひ作ってみてくださいね!

 

 

 

 

1月の縁起物③ 南天

 

南天

 

11月から2月頃にかけて、真っ赤な実をつける「南天」。

庭木としてもおなじみで、冬になると雪景色に映える赤に思わず見とれてしまいます。

 

「なんてん」という名前から「難を転じる」厄除けの縁起物として、正月飾りに使われたり枝を家に飾ったりと古くから親しまれてきました。

福寿草と一緒に飾ると「難を転じて福となす」の意味にもなるとも言われています。

「不浄を清める」とも言われ、家の玄関やトイレの近くにもよく植えられています。

 

赤飯に添えられている南天を見かけることも多いかと思いますが、南天の葉には殺菌作用があり、赤飯を傷みにくくしてくれているのだとか。

縁起担ぎや見た目の良さだけでなく、実用的な理由もあったのですね。

 

南天の切花は花屋さんで購入できます。

縁起がいいのはもちろんですが、玄関やトイレ、リビングなど目のつくところに一枝飾れば、気分が沈みがちな冬の季節でも鮮やかな赤色に元気をもらえそうです。

 


 

古くから大切にされてきた日本の縁起物。

意識して暮らしに取り入れてみれば、なんでもない一日もちょっぴり楽しくなるかも?

 

縁起物のある暮らしで、どんどん福を呼び込みましょう♪

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