2023.11.17 up
[季節を愉しむ一杯] 11月 -生姜葛湯-
移ろいゆく季節の中でほんの少し足を止め、その時その時に寄り添った一杯をゆっくり味わってみませんか?
季節をぎゅっと詰め込んだその味わい、香り、色彩が、慌ただしく過ぎ去る日々に彩りを添えてくれます。
旬の食材を使ったものや年中行事にまつわるものなど、暮らしの中で気軽に季節を愉しめるドリンクを毎月一杯ずつ紹介します。
11月の一杯「生姜葛湯」
11月になり、寒さも本格化してきました。とはいえ、ほんの少し前までは夏のように暑かったはず。秋は一瞬で過ぎ去ってしまいましたね。
急激な冷え込みに体が慣れず、体調を崩しやすい時期です。そんな時には、体を芯からぽかぽかに温めてくれる、寒い時にこそおいしい一杯を。
今回は、生姜と本葛粉を使ったホットドリンク「生姜葛湯」をご紹介します。
生姜が体を温めてくれるのは、ご存じの方も多いはず。生姜の辛味成分「ジンゲロール」を加熱することで生成される「ショウガオール」は、代謝を良くし、女性に多い「冷え」の悩みにも効果的です。
「葛」はマメ科の蔓性の植物。秋の七草の一つでもあります。
葛の根から採った澱粉を寒ざらしした「本葛粉」は、日本古来の伝統食品。
血の巡りを良くする効果があり、とろみによって暖かさが長持ちしやすく、胃腸も温めてくれます。
葛の根が成分である葛根湯は風邪に効く漢方としてもお馴染みですね。
生姜葛湯は、肌寒さを感じる時やちょっと不調を感じる時に、ほっとできる一杯です。
では早速作ってみましょう。
用意するものは、生姜、本葛粉、はちみつ、水のみです。シンプルな材料であっという間にできてしまいます。
大さじ1の本葛粉をカップに入れ、水を30ml加えてよく混ぜ、本葛粉を溶かします。
100〜120mlほどの水を加えて混ぜたら、電子レンジへ。600Wで1分30秒程度温め、よくかき混ぜます。
再度20秒ほど加熱し、透き通っていればOK。まだ濁っていれば10秒ずつ追加して、透き通るまで様子を見ながら加熱してください。
はちみつを大さじ1加えてよく混ぜます。
最後にすりおろした生姜を小さじ1加え、よく混ぜます。
艶やかでとろ〜りとした生姜葛湯の完成です。スプーンですくっていただきます。
生姜のピリッとした辛さと、はちみつのまろやかな甘さが体にじんわり沁みて、寒さに縮こまっていた心身がほどけていくようです。
寒さが厳しさを増す11月、生姜葛湯で体の内側からぽかぽかになってみませんか?