2023.12.15 up
[季節を愉しむ一杯] 12月 -福茶-
移ろいゆく季節の中でほんの少し足を止め、その時その時に寄り添った一杯をゆっくり味わってみませんか?
季節をぎゅっと詰め込んだその味わい、香り、色彩が、慌ただしく過ぎ去る日々に彩りを添えてくれます。
旬の食材を使ったものや年中行事にまつわるものなど、暮らしの中で気軽に季節を愉しめるドリンクを毎月一杯ずつ紹介します。
12月の一杯「福茶」
クリスマスと迎春ムードが混ざって、なんとも賑やかな12月。今年もあっという間に年末です。
今年はどんな一年でしたか?
今回ご紹介する季節の一杯は「福茶」です。
福茶とは、大晦日やお正月、節分に飲む縁起のいい飲み物。入れるものは地域によって異なりますが、一般的には昆布、梅、豆が多いようです。
昆布は「よろこぶ」、梅は「松竹梅」、豆は「まめに働く」という意味があり、新しい年の始まりを祝い、福を呼び込む縁起物として飲まれています。
では早速作ってみましょう。
用意するものは、煎り豆、梅干し、昆布だけ。
昆布は家庭にある塩昆布でOK。縁起を担いで結び昆布を入れてもいいですね。
まずは、1時間ほど水を吸わせた大豆を煎って、煎り豆に。少し焦げ目がつくくらいまで煎ると香ばしい香りが漂います。
このまま食べてもおいしい煎り豆。節分の福豆も同じように作れます。
湯呑みに小さじ1/2程度の塩昆布と煎り豆3粒、梅干し一粒を入れ、お湯を注げばあっという間に完成。
山椒を加えたり、お湯の代わりに緑茶やほうじ茶をいれたりするのもおすすめです。
豆は縁起のいい数字ということで3粒であることが多いようですが、好きなだけ入れてお好きに味わって。
少しふやけたのもおいしいですよ。
ごちそうが続く年末年始、疲れた胃腸に優しく沁みる味わいです。
大晦日やお正月はおめでたいけれど何かと忙しくもあります。
新しい年を迎えられる喜びをしみじみ感じながら、福茶でほっと一息つきませんか?