まだまだ寒さ厳しい日々が続きますが梅の花が咲き始め、スーパーのお惣菜コーナーには春を感じさせるフキノトウの天ぷらや、菜の…
2024.02.04 up
季節を知って暮らしを楽しもう[カレンダーのある暮らし]
節分が終われば立春です。ひとまわりした季節はまた春を迎え、新しい季節が始まりました。
うつろいゆく自然の姿をこと細やかに見つめ、それらに寄り添って過ごすことで、普段は見過ごしてしまうような自然の豊かさ、風景の美しさに気づき、毎日が少し豊かになるかもしれません。
立春を機に「季節」について改めておさらいし、自然を感じながら日々の暮らしを楽しんでみませんか?
そもそも季節って?
多くの人が季節と聞いて思い浮かべるのは、春夏秋冬(四季)でしょう。でもそれが具体的にいつからいつまでなのか、曖昧な人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、絶対的な定義は存在していないのです。
実は季節の分類は用途によって異なります。
気象庁は、3〜5月を春、6〜8月を夏、9〜11月を秋、12〜2月を冬と定めています。天気予報などに用いられており、現代を生きる我々に最も身近な考え方かもしれませんね。
天文学的には、春分~夏至を春、夏至~秋分を夏、秋分~冬至を秋、冬至~春分を冬としています。春分、夏至、秋分、冬至は太陽の黄経によって求められています。
また、日本には古来より、季節の移ろいを細やかに描く言葉が存在します。それが「二十四節気」と「七十二候」。簡単にいえば、自然の姿による“季節の目安”です。
後ほど詳しく説明しますが、二十四節気の節気による分類では、立春〜立夏が春、立夏〜立秋が夏、立秋〜立冬が秋、立冬〜立春が冬となっています。
季節と一言で言っても、その区切り方は一つではないのですね。
季節を表す二十四節気と七十二候
二十四節気とは、太陽の動きをもとに、1年を24等分して作られた季節の目安です。日本には7世紀頃に中国から伝わったと言われています。
かつて中国で使われていた「太陰暦」は月の動きを元にしていました。
季節は太陽の動きにつれて巡ります。月の動きとは無関係のため、暦と実際の季節にズレが生じるようになってしまいました。
そこで太陽の動きを元にした二十四節気を季節の目安とし、農事などに活かしながら生活していたのです。
月と太陽の動きを元に作られた暦は「太陰太陽暦」と呼ばれ、二十四節気を利用して、季節とのズレを調整するための「閏(うるう)月」を挿入していました。
二至二分と四立
二十四節気の軸となっているのは、二至二分(にしにぶん)と四立(しりゅう)。
「夏至」と「冬至」で二至、「春分」と「秋分」で二分、合わせて二至二分と呼び、季節の変わり目として非常に重要なものです。これらは太陽の黄経によって求められており、国立天文台が毎年2月に発表する暦要項の中に定められています。
また、立春、立夏、立秋、立冬の四つを四立といいます。それぞれ二至二分の中間地点となり、季節の始まりとされています。中でも二十四節気の1番目である立春は、季節が一巡りし、新たな季節の始まりとして特に重要になります。
二至二分と四立を合わせて八節(はっせつ)といい、一節は1年を8等分した約45日間になります。
二十四節気
「八節」の一節は約45日間。季節を細やかに描くため、さらに3等分して一節を約15日間にしたものを、まとめて「二十四節気」といいます。
1年を黄経15度ごとに24等分して決められており、こちらも暦要項に定められています。
お買いもの
色彩暦(二十四節気入)
¥1,265(税込)
四季の移り変わりと共にある二十四節気、方位や時間、日々の吉凶を示す六曜など、日本の暦は365日、1日1日がそれぞれの意味を持っています。1日の大切さと四季折々の暮らしの節目を、暦の中で感じてください。12ヵ月のイメージを12色で伝える、使いやすいカレンダーです。
四季の移り変わりと共にある二十四節気、方位や時間、日々の吉凶を示す六曜など、日本の暦は365日、1日1日がそれぞれの意味を持っています。1日の大切さと四季折々の暮らしの節目を、暦の中で感じてください。12ヵ月のイメージを12色で伝える、使いやすいカレンダーです。
七十二候
二十四節気の一節は約15日間。さらにそれを3等分したものが七十二候です。鳥、虫、獣、草木、花など、生きとしいけるもののその時々の様子を言葉にし、細かな季節の移ろいを教えてくれます。
一つの節気の中に3つの候が存在し、それぞれ順番に初候、次候、末候といいます。
中国から伝来したため日本の気候に合わない部分があり、江戸時代には天文学者渋川春海によって日本の気候風土に合わせて改訂されました。
一つの候は約5日間。ぼーっとしているとあっという間に過ぎてしまいます。
現代では、昔と同じように自然現象を確認することは難しい部分もあるかもしれませんが、日本ならではの自然のリズムを感じながら過ごしたいものです。
二十四節気(にじゅうしせっき) 暦の上での日付とは別に、太陽の動きをもとに1年を春夏秋冬の4…
さいごに
俳句に季語があるように、日本人にとって季節と暮らしは切っても切り離せないもの。
しかし都市化が進んだ現代においては、昔と同じような“季節のうつろい”を日々の中で感じることは難しいかもしれません。
それでも、道端にひっそりと咲く草花に、狭い空を舞う鳥に、外に出た時に感じる風や湿度に小さな季節の変化を見つけられれば、日常もほんの少し鮮やかになるのではないでしょうか。
慌ただしい日々の中、季節をうっかり通り過ぎてしまわないように、季節を表す言葉たちに今一度注目してみてくださいね!