2024.03.18 up

[季節を愉しむ一杯] 3月 -桜湯-

移ろいゆく季節の中でほんの少し足を止め、その時その時に寄り添った一杯をゆっくり味わってみませんか?

 

季節をぎゅっと詰め込んだその味わい、香り、色彩が、慌ただしく過ぎ去る日々に彩りを添えてくれます。

 

旬の食材を使ったものや年中行事にまつわるものなど、暮らしの中で気軽に季節を愉しめるドリンクを毎月一杯ずつ紹介します。

 

 

 

 

3月の一杯「桜湯」

 

桜湯

 

 

少しずつ日差しが暖かくなってきました。春分(2024年は3月20日)を過ぎると、いよいよ本格的な春の暖かさに。穏やかな陽気に、心も弾みます。

 

お待ちかねの桜の開花ももうすぐ。

 

今月の季節の一杯は、そんな桜にちなんだ「桜湯」です。

 

桜湯とは、塩漬けにした桜の花にお湯を注いだもの。地域によっては桜茶ともいいます。

お湯を注ぐと少しずつ花が開くことから、おめでたい席の縁起物とされています。

 

結納や婚礼はもちろん、卒業や入学、進級、就職など、春ならではのお祝いごとにもぴったり。おめでたいシーンに、春らしい華やかな彩りを添えてくれます。

 

 

桜の塩漬け

 

 

用意するものは、桜の塩漬けとお湯。作り方もとっても簡単です。

 

桜の塩漬けは自分で作ることもできますが、桜を入手するのはちょっとハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。

市販のものが一部のスーパーや通販で手に入りますので、今回はお手軽な市販のものを使います。

 

塩漬けに使用されているのは、おもに八重桜。発色や香りがよく、開いた時の見た目も華やかなことから、八重桜がよく使用されているようです。

 

塩漬けはそのまま使うと塩辛くなりすぎてしまうので、塩抜きをするのがおすすめ。

 

塩漬けの桜を2〜3房用意し、塩をさっと払い落として耐熱容器に入れます。

約40度のお湯を適量注ぎ、5分ほど置いたら塩抜きは完了。

 

湯呑みなどの器に塩抜きした桜を入れてお湯を注ぎ、塩抜き後のお湯を小さじ1ほど加えて味を整えてください。

塩抜き後のお湯を足すことで桜の風味もグッと増します。

 

 

桜湯

 

 

じっくりと花開き、ゆらゆらとお湯に漂う様子は、見ているだけでも癒されます。透明の器だと、より楽しめるかもしれませんね。

ほのかに香る桜の香りに、気分も華やぎます。

 

待ちわびた春の訪れを感じさせる、桜湯。

おめでたいことの多いこの季節、手のひらの中で咲き誇る桜で、お祝いの席を彩ってみませんか?

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