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[今月のRemind] 4月のカレンダー
2021.04.01 up
新年度のスタート、4月が始まりました。いよいよ待ちに待った春の到来です。新しい環境で新しい生活が始まる方も多いことでしょ…
新年度のスタート、4月が始まりました。いよいよ待ちに待った春の到来です。新しい環境で新しい生活が始まる方も多いことでしょ…
2021.04.12 up
清々しく爽やかな春の空に、鯉のぼりがよく似合う季節になってきました。4月末から来月にかけてはゴールデンウィークですが、そのうちの一日、5月5日はこどもの日です。五月人形や鯉のぼりをまだ出していない人は、そろそろ押入れから出して飾りつけをしたいところ。五月人形や鯉のぼりを飾る日に決まりはないようですが、遅くても4月半ばには出して、こどもの日まで眺めて楽しみたいですね。
ところで、なぜこどもの日には五月人形や鯉のぼりを飾る風習があるのでしょうか。また、こどもの日といいながら、なぜ男の子のための人形だけを飾るのでしょうか?
ここでは、こどもの日や五月人形について、由来や意味を詳しくご紹介します。
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2021.04.01 up
新年度のスタート、4月が始まりました。いよいよ待ちに待った春の到来です。新しい環境で新しい生活が始まる方も多いことでしょ…
新年度のスタート、4月が始まりました。いよいよ待ちに待った春の到来です。新しい環境で新しい生活が始まる方も多いことでしょ…
祝日法では「こどもの日」と定められていますが、「端午の節句」と呼ばれることもある5月5日。3月3日のひなまつりが女の子の節句であるのに対して、5月5日の端午の節句は男の子の節句であるという認識が一般的です。
では、こどもの日は男の子のための日なのでしょうか。それとも性別は関係なく全てのこどものための日なのでしょうか。まずは、こどもの日の成り立ちから見ていきましょう。
中国が起源の端午の節句。「端」とは初めのこと、「端午」とは月の初めの午の日を意味します。端午はもともと5月5日だった訳ではありませんが、「午(ご)」と「五」という音にかけて、五の重なる5月5日のことを意味するようになっていきました。
中国では、3月3日、5月5日のように奇数の月と日が重なる日は忌み日とされており、厄を祓う行事が行われていました。その習慣が日本に伝わり、日本の稲作中心の暮らしと組み合わさって、季節の節目に厄祓いなどの行事を行う「節句」となりました。
日本にはいくつかの節句があり、そのうちの5月5日を端午の節句といいます。
端午の節句が日本に伝わったのは7世紀頃ですが、はじめは男の子のための節句という訳ではなかったようです。
端午の節句の頃は田植えの時期。田の神様を迎えるために、早乙女と呼ばれる田植えをする少女たちが、田植え前に菖蒲やヨモギで葺いた屋根の下に籠もって汚れを祓い、身を清めるという行事が行われていました。「女の家」や「女の夜」ともいわれていました。このように、日本ではもともとは女性の厄祓いの意味合いが強かったようです。
端午の節句は「菖蒲の節句」とも呼ばれます。中国では、端午の節句には、香りが強く魔除けの効果がある菖蒲によって厄を祓うため、菖蒲湯に浸かったり菖蒲酒を飲んだりしていたといいます。
旧暦の5月は、今でいう6月で梅雨に向かう頃にあたります。高温多湿で伝染病や害虫が増える時期のため、日本にも、香りの強い菖蒲を飾って邪気を祓う習慣がありました。その後武士が台頭してくると、武を重んじる考えである「尚武(しょうぶ)」と菖蒲をかけ、端午の節句が重んじられるようになり、武家社会に徐々に広まります。男の子の節句となったのは、武家社会が確立した鎌倉時代。次第に、男の子の出世や武運長久を祈る行事へと発展し、現在のような男の子の節句となりました。
「こどもの日」ができたのは1984年のこと。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」という趣旨の祝日となっています。
3月3日の桃の節句(上巳の節句)、5月5日の端午の節句は江戸時代には祝日でしたが、明治時代の改暦の際に祝日では無くなってしまいます。
戦後、新たに祝日を作るとなった際には、3月3日、5月5日を祝日にしようという声もありましたが、男女問わず全ての子どものための祝日にしようと、5月5日がこどもの日と定められました。
男の子のための五月人形や鯉のぼりを飾る風習が残っているだけに、こどもの日はどうしても男の子の祝日というイメージが残ってしまっていますが、日付の由来が端午の節句というだけで、こどもの日は性別を問わない全ての子どものための祝日です。男の子であっても女の子であっても、気にせずに子どもの成長と幸せを祈ってお祝いしましょう。
鎧兜や鯉のぼりは、端午の節句に欠かせません。なぜ飾るようになったのでしょうか。
武家社会になり、男の子のための行事となっていった端午の節句。江戸時代になると、武家では後継ぎとなる男の子の誕生を願って、また男の子がたくましく成長するようにと願いをこめて、鎧兜や武具を並べて飾るようになりました。その後、庶民たちも武士に倣って作り物を飾るようになったのが、五月人形のはじまりといわれています。
鯉のぼりも江戸時代から飾られています。男の子の立身出世を願い、鯉が滝を登りきって龍になったという中国の故事にちなんで、鯉のぼりを立てるようになりました。男の子が生まれたことを神様に報告し、ご加護を頼むための目印でもあったとか。
江戸の町では火事が多く、消火の妨げになることや、華美を競う風潮の高まりにより、次第に鯉のぼりは禁止になってしまいます。そこで、室内飾りとしての武者人形や鎧兜が飾りの主流となっていきました。
現在の5月5日はこどもの日。男女を問わず全ての子どものための日ですが、桃の節句、端午の節句と時代を超えて人々の生活に根付いている習慣は、簡単には変わらないもの。法律がこどもの日を定めても、昔からの習慣の通りに女の子は3月3日のひな祭りに人形を飾りますので、男の子は端午の節句であった5月5日に向けて五月人形を飾りましょう。
五月人形は、端午の節句に男の子の健やかな成長を願って飾る人形を総称しており、屋内に飾る内飾りと屋外に飾る外飾りがあります。
内飾りには、兜も含めた全身の鎧で構成された「鎧飾り」、兜部分だけを飾る「兜飾り」、桃太郎や金太郎など物語の登場人物をモチーフにした人形である「武者人形」などがあります。
実際に子供が身に着けることができる鎧や兜、収納ケースを台座にして飾ることができるもの、ガラスケースに入れてコンパクトに飾るもの、作家の一点ものの武者人形や玄関先にも飾れるような可愛らしい人形など、種類も豊富です。ライフスタイルや住居に合わせた物を用意して飾りましょう。
外飾りとして代表的なのは鯉のぼり。
戦場での目印であった「旗指物(はたさしもの)」が原型といわれています。鯉は家族を表しており、真鯉、緋鯉、子鯉で構成され、一番上には5色の吹き流しがあります。陰陽五行説に由来した「青、赤、黄、白、黒」の5色で、邪気を祓う力があるとされています。竿の先端の龍玉は神を招くとされ、その下でカラカラと音を立てて回る矢車は魔除けになります。
ひな人形の場合は、二十四節気の一つである雨水に飾ると良縁に恵まれるといわれていますが、五月人形はどうでしょうか。
五月人形を飾る日のしきたりなどは特に無いようで、一般的には4月の半ば頃までに飾り付けます。ひな祭りが終わったら飾るという地域もあるようです。前日に慌てて飾る「一夜飾り」は、神様に対して失礼とされているので避けましょう。
飾る方向は南向きか東向きに飾るのが良いとされていますが、間取りによって難しい場合はそこまで細かく気にする必要はなさそうです。
子どもが小さいうちは、鎧や兜を触ってしまって危険なこともあります。特に弓矢や刀なんかは、男の子は非常に興味をそそられるのではないでしょうか。子どもの年齢に合わせて、手の届かない場所に飾るなど、飾る場所にも気を配りたいですね。
ひな人形は早く片付けないと婚期が遅れるなどといわれていますが、五月人形には特にそのような言い伝えなどは無いようです。鯉のぼりに関しては、5月いっぱい飾る地域もあるようですが、5月5日以降の晴れた日に片付けるのが良いでしょう。
最近では、核家族化や住宅事情の変化により、大きくて立派な五月人形や鯉のぼりは飾らないというご家庭も増えています。時代に合わせて、室内でも飾れるインテリア性の高いコンパクトな鯉のぼりや、飾り棚に飾れるサイズの仰々しくない五月人形なども作られていますので、そういった物を取り入れてもいいですね。
鯉のぼりを飾っている家も最近ではめっきり減っていますが、公共施設や大きな公園・河川などでは、たくさんの鯉のぼりを飾り、こどもの日のイベントとして楽しめるようになっているところも多くあります。自宅には飾れなくても、それらの鯉のぼりを見に家族でお出かけするというのもいいですね。
それぞれのご家庭にあったやり方で、子どもの健やかな成長を願いましょう。