2021.07.19 up

[今月のRemind 7月編] うなぎだけじゃない!夏土用にはどんな習慣があるの?

7月19日から立秋の前日、8月6日までの19日間は夏土用になります。(2021年の場合)。この夏土用の間に訪れる丑の日(2021年は7月28日)は、うなぎを食べる日としてすっかり暮らしに定着していますよね。

 

とはいえ、土用とは決してうなぎを食べるだけの日ではないのです。本来どんな意味を持つ日なのかをきちんと知ると、夏土用の過ごし方もいろいろ見えてくるのではないでしょうか。

ここでは、意外と知らない土用について、そして夏土用の過ごし方について詳しくご紹介します。

 

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2021.07.01 up

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土用についておさらい

 

土用については、春土用の際に詳しく紹介しています。こちらの記事をご覧ください。

 

 

簡単に言うと、土用とは「季節と季節の間の移行期間」です。全てのものは木・火・土・金・水の5つから成り立っているという陰陽五行説に由来し、木=春、火=夏、金=秋、水=冬と4つの季節に当てはめた時に、残ってしまう「土」をそれぞれの季節に割り振り「季節の変わり目」としました。

 

日付としては、季節の始まりである立春、立夏、立秋、立冬の前の18〜19日間が土用になります。

土用の図。五行説だと1年を5で割るから、春、夏、秋、冬それぞれの日数と、 4回の土用の日数の合計が同じになるようになっているよ。

土用は季節の変わり目なので、体調にも変化が起こりやすい時期。そこで昔から季節にあった様々な養生法が行われており、土用の習慣が形作られていきました。うなぎを食べるというのも、食養生の一つなのです。

 

 

 

夏土用、どんなことをして過ごす?

 

土用は年に4回あるとはいえ、一般的に土用といえば夏土用を指し、暮らしの中で意識するのも夏土用くらいではないでしょうか。ちょうど暑さが本格化する時期でもあり、疲れや体調の変化も現れやすいとき。古くからある土用にまつわる様々な習慣も、体を労る習慣が多いようです。

 

土用灸

夏バテ防止にお灸をする習慣があります。この時期のお灸は特に効果が高いといわれ、お灸で疲れた体を労っていたようです。

丑の日には、参拝者の頭の上に焙烙(ほうろく)を乗せてその上でもぐさを焚き、邪気払いをする「焙烙灸」が各地の寺院で行われています。

 

 

土用しじみ

「土用しじみは腹の薬」という言葉もあるほど、夏負けの薬として昔からしじみがよく食べられていました。夏の産卵の為に身が肥えたしじみは、胃腸を整え、むくみ解消にも効果があり、精のつくものを食べて暑い夏を乗り切る食養生の一つです。

 

 

土用餅

土用についた餅のこと「土用餅」といい、あんころ餅やあべかわなどで餅を食べると厄除けになり、夏バテしないと言われています。「ハラワタ餅」といい、内臓が腐らないように餡入りの餅を食べるという言い伝えの残る地域もあるようです。

 

 

丑湯・土用湯

丑の日にゆっくりお湯に浸かると病気をしないと言われ、地域によっては桃葉湯や枇杷湯などの薬草湯に浸かることもあるそう。土用に採った薬草は特に効果があるとされていました。各地の温泉でも、丑湯に入ると湯治の効果が大きいと言われ、賑わいを見せています。

海辺や川辺で身を清めたりする地域もあるのだとか。

 

 

「う」のつく食べ物を食べる

夏土用の定番はうなぎですが、本来は「う」のつく食べ物を食べるのが良いとされていたので、うなぎの他、瓜、梅干し、うどん、馬肉、牛肉などを食べるのもいいですね。

うなぎを食べる習慣は江戸時代に広まったと言われています。平賀源内が売れないうなぎ屋を繁盛させるために店先に「本日土用丑の日」と張り紙を出したところ、途端に賑わったという説が有力ですが、うなぎは食欲不振の解消や疲労回復、胃腸の病気や風邪の予防にも良いとされており、夏にうなぎを食べるのは理にかなっていると言えそうです。

 

 

黒い食べ物を食べる

五行説では、春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒と、季節ごとの色があり、土用には反対の季節の色の食べ物を食べるのも良いとされています。夏だと、冬の色の黒い食べ物食べると良いということですね。黒い食べ物には、うなぎ、黒鯛、ドジョウ、シジミ、ナス、黒豆、黒砂糖、黒ゴマなどがありますので、試してみてはいかがでしょう。

 

 

土用干し

かつては夏土用の頃の強い日差しを利用して、タンスの中の衣類や書類の虫干しが行われていました。虫がついたりカビたりするのを防ぐためで、平安時代には正倉院の所蔵品も土用干しが行われていたとか。

また、梅干しもこの時期に天日干しをします。「三日三晩の土用干し」とも言われ、漬けている梅を一旦取り出して天日に干すと、梅がやわらかくきれいに仕上がるのだそう。

 

 

土用三郎

土用の一日目を太郎、二日目を次郎、三日目を三郎と言い、土用三郎は農家における厄日の一つともされていました。そこで、土用三郎の天気でその年の秋の豊凶を占っていたのだとか。雨が降れば土用中雨が降り続き凶作、晴れれば豊作になるといわれていたそうです。

 

 

 

 

以上、夏土用にまつわる慣わしについてご紹介しました。

 

どうしてもうなぎのイメージが強いですが、「季節の変わり目に体を労る」という本来の意味を知ると、うなぎを食べることだけにこだわらなくても良さそうです。「う」のつくうどんや、黒い食べ物のナスや黒豆なんかは安くて食卓にも取り入れやすいですよね。

 

暑さも本格的になり夏バテしやすい時期になってきましたが、ゆっくりお風呂に浸かったり、しじみを食べたり、寺院で焙烙灸を受けたりと、夏土用ならではの習慣を取り入れながら、体を労って過ごしてくださいね。

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