2022.02.15 up
冬に仕込んで食べ頃を待とう。味噌作りにチャレンジ![親子のための今月のRemind]
「寒仕込み」という言葉を聞いたことはありますか?味噌や酒、醬油などの発酵食品は、冬に仕込むと美味しいといわれています。
一見難しそうな味噌作りですが、材料はいたってシンプル。キットなどを使えば初心者でもそこまで難しくありません。
ということで、今回はスタッフが子どもと一緒に味噌作りにチャレンジ!
ちなみに、子どもに「一緒に味噌を作ってみよう!」と声をかけたところ「スーパーで買ってくればいいじゃん」と言われてしまいました。「自分でも作れるんだよ」と教えてあげると驚いていましたが、なんでもかんでも簡単に買えてしまう時代だからこそ、手作りの楽しさというのも体験して欲しいもの。スーパーでいつでも手に入る味噌ですが、あえて長い時間をかけて作り、食べ頃を楽しみに待つのも食育の一つですね。
今回は、味噌作り初心者親子が挑む、はじめての味噌作り体験をお届けします!
どうして冬に仕込むの?
ところで、どうして冬に仕込むとおいしくなるのでしょうか?
「寒仕込み」という言葉の「寒」とは、よく耳にする「寒の入り」「寒の明け」の「寒」と同じで、二十四節気の小寒(1/5頃)から立春の前日の節分(2/3)までの期間を指します。
こちらもチェック!
一年で最も寒くなるこの時期は雑菌の繁殖が抑えられるので、味噌の仕込みに適していると言われています。また、気温が高いと発酵が急に進んでしまいますが、冬はゆっくりと時間をかけて発酵するので、深みのある味に仕上がるのだとか。
そんなことを知ると、ますますこの時期を逃さずチャレンジしてみたくなりますね!(寒はちょっと過ぎてしまいましたが…)
材料
味噌作りに必要な材料は、水、大豆、塩、麹といたってシンプルです。それぞれ自分で調達しても良いのですが、今回は初めての味噌作りということで、初心者に嬉しい味噌作りキットを使用してみることにしました。
せっかくなので地元の味噌屋さんのもので作ってみたいと思い、今回は、Calendia(株式会社にしばた運営)と同じ福井県福井市にある三七味噌さん(https://www.sannanamiso.com)の「手作り味噌セット」を使用することに。
“初めてでも簡単”と書いてあり、味噌作りのハードルもグッと下がって、やってみたい!という気持ちもどんどん湧いてきますね。
容器には、塩(120g)、乾燥大豆(220g)、米麹(360g)が入っています。これに、水150ccを使用し、塩分濃度11%の味噌が1kgできるのだそう。
味噌を作ってみよう!
では、同封されていた作り方の説明書に沿って、5歳児と一緒に味噌作りスタート!
まずは大豆をきれいに洗います。ザルを使って水を変えながら、3〜4回洗います。
やる気満々だった子どもですが、水の冷たさにいきなりテンションダウン…。「つめたーーーい!代わってー!」とぎゃあぎゃあ騒ぎながら大豆を洗っていました。冬の水仕事の大変さがちょっとは伝わったかしら…
洗った後の状態の大豆。
きれいに洗った容器に大豆と水を入れ、一晩水に浸します。今回は容器いっぱいに水を入れましたが、一般的に水の量は大豆の3倍が目安のようです。
右は水に浸けて12時間後の状態。水を吸って大きく膨らみました。
一晩水につけてから水を切った状態。「すごーい!水に入れるとこんな形になるんだね!」と子どもにも新しい発見があったようです。
続いて、大豆を蒸し器に入れ、中火で40〜50分ほど蒸します。蒸し器がない場合は鍋で茹でてもOKです。
蒸し上がりました。蒸し器の蓋を開けると部屋中に大豆の匂いが広がります。
マッシャーを使って、蒸した大豆をよく潰します。なかなか根気は要りますが、5歳児でもできました。たまにおふざけモードに入り、あっちこっちに大豆が飛び散りましたが…
途中でスタッフと交代しながらも、なんとかこの状態に。
さて、こちらは米麹。麹菌はそのまま使用するものではなく、米や麦などに加えて「麹」にして使用します。米に麹菌を付着させて培養したものを米麹と言います。
初めて見ましたがこんな風になっているんですね。子どもも初めて見る米麹に興味津々でした。
潰した大豆に米麹と塩を加えてまんべんなく混ぜます。ボウルが溢れそうだったので、ここで大きめの鍋にチェンジ。
さらに水150ccを加えて、練るように混ぜます。固さの目安は、ハンバーグのタネより少し固いくらい。大豆を煮た場合は、水の量を少なくしてくださいね。
続いて、適度な大きさに丸めて味噌玉を作ります。こういう作業は子どもも大好き。粘土遊びの感覚で楽しんでいました。
全て味噌玉にしました。フワフワとした表面にコロンとした形。自分たちで作っているからなのか、なんだかこの味噌玉が可愛く見え、愛着が湧いてきた当スタッフですが…。
そんなことはお構いなしの子どもはさっさと次の工程へ。味噌玉を一つずつ容器に入れ、空気を抜くように底に押し付けて潰していきます。味噌玉の可愛らしさは一瞬でした…
全ての味噌玉を入れたら、スプーンの裏を使って表面を平らにします。
容器についた味噌はカビの原因になってしまうので、容器の外側や内側についた味噌はティッシュなどできれいに拭き取ってください。
ラップをふわりと被せ、小さく畳んだティッシュを使って、味噌の表面に空気が入らないようにラップをぴったりと貼り付けます。
余ったラップは、折りたたんで容器の内側の側面に貼り付けます。
ラップの上から、アルコールをひと吹きします。蓋の裏にも吹きかけて、拭き取らずにそのまま蓋を締めます。
これで、味噌の仕込みは完了!キッチンの床は飛び散った大豆の欠片でかなり荒れていますが、子どももよくがんばりました!
食べ頃まで保存しよう
仕込みが完了したら、あとは食べ頃になるまで保存します。
食べ頃を忘れないように、いつ仕込んだのかを書いて貼っておくと安心ですね。ちなみに、こちらのセットには食べ頃シールが同封されていましたので、そちらを貼り付けました。
直射日光の当たらない場所で保管します。我が家では、夏に作った梅酒と一緒にキッチンの棚に置いて、食べ頃を楽しみに待つことにしました。
味噌は熟成期間によって風味や味、香りが変わります。米麹を使った手作りの味噌は一般的には6〜12ヶ月くらいが目安のようですが、初めての味噌作りでは熟成具合の判断も難しいところ。その点からいっても、食べ頃を教えてくれるキットは初心者にはありがたいですね。
今回使用した味噌作りキットはこちらです。
さいごに
今回は、親子での初めての味噌作り体験をお届けしました。大豆を潰すところはなかなか大変でしたが、大人と交代しながら行うことで、子どもでも楽しんで作ることができました。
「9月になったらこの味噌で味噌汁作ろうね」と言うと、「えーっ9月まで食べられないの?」と驚いていましたが、そんな風に手間と時間がかかるものなんだと知れたことも、一つの学びになったのではないでしょうか。出来上がった味噌を味わえる日が楽しみです。
味噌は日本人の食を支えてきた伝統調味料の一つ。全国各地の気候や風土によって多様な種類があります。味噌作りをきっかけに日本の食文化への興味も広げていけると、より有意義な食育になりそうですね。
春はもうすぐそこまで来ていますが、残りわずかの冬に、親子で味噌作りにチャレンジしてみませんか?