2022.08.09 up
お供え物やおもてなしに。福井の郷土料理「とびつき団子」を作ってみよう![親子のための今月のRemind]
地域によって違いはありますが、一般的なお盆は8月13〜15日頃。ご先祖様の霊を迎え、地域の習わしに従って供養します。
地域色が強いお盆の習わし。自分の住む地域では当たり前に行う習慣が、他の地域から見るとびっくりするような習慣だったりすることもありますが、お供え物もそのひとつ。
calendiaを運営する「株式会社にしばた」のある福井県にも「とびつき団子」というちょっと変わったお供え物があります。今回は、夏休みを利用して子どもたちと一緒に「とびつき団子」を作り、地域に根付く食文化を体験してみようと思います!
福井の郷土料理「とびつき団子」って?
「とびつき団子」は、福井県北部のあわら市や坂井市の一部に昔から伝わる郷土料理。
主にお盆のお供え物やおもてなしの料理として、各家庭で作られていたようです。結婚した女性が実家に帰省する際の手土産でもありました。
団子にびっしりとくっついているのは「ササゲ」という、小豆によく似た豆。煮崩れしやすい小豆と違い、煮ても割れにくいのが特徴です。このササゲが団子に飛びついたように見えることから「とびつき団子」という名前になったのだとか。昔はどの家庭でもササゲを栽培しており、各家庭ごとにオリジナルのレシピがあったようです。
今回、とびつき団子を作ってみよう!とササゲを探してみましたが、乾燥させた豆はスーパーや産地直売所などを回ってもなかなか見つけられませんでした。とびつき団子の地元の人に聞いてみたところ、今はササゲを作る農家さんはほとんどおらず、高齢化でとびつき団子を作る人も減っているのだそう。本来ササゲで作るものですが、今回は小豆で代用することに。
風土に根付いた郷土料理は、できれば絶やさずに守っていきたいもの。こうやって自分たちで作ってみることで、ふるさとの味の魅力に気づくことができ、子どもたちの食育にもなりますね。
材料
・ササゲ 200g ※今回は小豆で代用
・もち米粉 300g
・うるち米粉 30g
・砂糖 大さじ7
・水 250cc
とびつき団子を作ってみよう!
では早速、子どもと一緒にとびつき団子作りに挑戦!
ササゲ(今回は小豆)を水洗いし、たっぷりの水で柔らかくなるまで煮ます。途中でアクが出てきたら、こまめに取り除いてください。
芯まで柔らかく煮上がったら、ザルにあけて水気を切ります。
水に砂糖を溶かして砂糖水を作り、豆を1時間くらい浸してから、再びザルにあげて水気を切ります。
続いて、団子を作ります。
もち米粉とうるち米粉を混ぜ合わせ、水を少しずつ加えながら耳たぶくらいの柔らかさになるまでよくこねます。
子どもは、手にまとわりつくべちょっとした粉に「わー!おもしろーい!」と言いながら粘土遊び感覚でこねていました。
適当な大きさに取り分けて手のひらで転がして丸め、細長い形にととのえます。
沸騰したお湯に団子を入れ、浮き上がって1〜2分したら掬い上げて冷水で冷まします。
団子が乾かないうちに、手早く豆をつければ完成です!
小豆の場合、豆をつける際に力を入れすぎると豆が潰れてしまうので注意してください。子どもにはちょっと力加減が難しそうでしたが、なんとか完成させると「これはぼくのだからね!」と眺めては満足そうでした。
本来ササゲで作るものを小豆で代用したため、本来のものと少し風味が異なるかもしれませんが、さっぱりした甘さで、団子のもちもち食感と豆のつぶつぶ食感が楽しい一品です。
さいごに
今回は、福井県の郷土料理「とびつき団子」をご紹介しました。
皆さんの地域には、どんな伝承料理・郷土料理があるでしょうか?お盆に振るまう郷土料理を子どもたちと一緒に作れば、おいしく食べられる上に季節を感じる食育にもなり一石二鳥です。由来や歴史もしっかり説明して、より身近に感じられるようになるといいですね。
この夏休みに、ぜひ親子で郷土料理作りにチャレンジしてみてください!