2022.08.22 up

夏の自由研究にもピッタリ。ブルーベリー染めに挑戦![親子のための今月のRemind]

朝顔や玉ねぎの皮など、身近な植物の草、花、実などを使って染めものを楽しむ「草木染め」。子どもの頃にやった記憶のある方も多いかもしれませんね。

 

庭や公園、山など、いろいろなところに染料となる植物はあります。染まりやすさに違いはあれど、大抵どんなものでも染めものを楽しむことができます。染めてみたら想像と違う意外な色に染まった!なんてこともあり、なかなか奥が深い草木染めの世界。

 

気がつけば8月も後半、子どもたちの夏休みもあとわずかです。夏休みの自由研究に頭を悩ませているなら、親子で季節の植物を使った草木染めにチャレンジしてみませんか?

 

今回は、夏に実をつけるブルーベリーを使った染めものに挑戦してみたので、その様子をお届けします♪

 

 

 

 

用意するもの

 

ブルーベリー染めの材料

 

・ブルーベリー 適量(今回は300g)

・豆乳 布がひたる程度

・焼きみょうばん 大さじ1

・水(媒染用) 1.5L

・染める布(今回は綿のハンカチ5枚)

 

 

 

 

染まりやすくするための下準備

 

草木染めでは基本的に白い布を使用しますが、布の素材によって染まり方が異なります。たんぱく質でできている絹は良く染まるのに対し、天然素材の綿や麻はそのままではうまく染まりません。

 

今回は綿のハンカチを染めるので、ここで染まりやすくするための下処理を行いましょう!

 

使うのは豆乳。大豆からできている豆乳にはたんぱく質が多く含まれています。豆乳に綿の布を浸してたんぱく質を含ませることで、色が染まりやすくなるのです。

 

草木染めの豆乳下地

鍋に、布がひたる位の量の豆乳を注ぎ、布を入れて5分以上よく揉みます。

 

草木染めの豆乳下地

そのまま10分ほどつけておきます。ときどきひっくり返してくださいね。

 

その後は洗わずに絞って水気を切り、広げて干して乾かします。

 

これで豆乳を使った下準備は完了です!

 

 

 

 

“しぼり”を入れよう!

 

「しぼり」とは、糸で縫ったり紐や輪ゴムなどで縛ったりして、染色で布に模様を描く技法のこと。せっかくなので、しぼりにもチャレンジしてみることに。

 

草木染めに挑戦しよう

今回染めるのは、こちらの綿のハンカチ。豆乳での下処理をして乾かしたものに、しぼりをします。

 

草木染めのしぼり

いつも遊んでいるビー玉を包んでみたり…

 

草木染めのしぼり

洗濯バサミを使ってみたり。針と糸を使うのは子どもにはちょっと難しいですが、身近なものを使って簡単にしぼりを入れることができます。

 

今回は以下の5つのしぼりを試してみました。どんな模様になるのかワクワクしますね!

 

ブルーベリー染めのしぼり

①布をジャバラに折り、たたんだところを洗濯バサミで挟みました。

 

ブルーベリー染めのしぼり

②布の中央部分をつまみ、輪ゴムを巻きつけました。

 

ブルーベリー染めのしぼり

③模様をつけたい位置にビー玉を置き、ビー玉を包み込んで輪ゴムでしばりました。

 

ブルーベリー染めのしぼり

④布を寄せて、等間隔に紐で縛りました。

 

ブルーベリー染めのしぼり

⑤布をくしゃくしゃに丸めて、輪ゴムを巻きつけました。

 

 

 

媒染(ばいせん)しよう

染める前に、もう一つやっておきたい作業があります。

 

植物の色素は金属とくっつく性質を持っており、金属成分とくっつくことで発色が良くなり色が落ちにくくなります。この効果をねらって、染めものをする際に布に金属成分を含ませることを「媒染」と言います。

 

使うのは、硫酸カリウムアルミニウムを加熱した「焼きみょうばん」。漬物の変色防止などに使われるもので、スーパーなどで入手できます。

 

ブルーベリー染めの媒染

水500mlに焼きみょうばん大さじ1を入れて火にかけ、溶かします。

 

ブルーベリー染めの媒染

大きめの鍋に1Lの水を入れ、溶かしたみょうばん液を入れます。

そこにしぼりをした布を入れ、ゆっくり動かしながら5分程度液を染み込ませます。

 

媒染

さらに10分置きます。ときどきひっくり返してください。

 

これで媒染は完了です!

 

 

 

 

ブルーベリーで染めてみよう!

媒染も終え、いよいよ染色の工程へ!なんだかワクワクしてきますね。

 

ブルーベリー染め

鍋にブルーベリーを入れ、布が泳ぐ程度の水を入れて20分程度煮ます。

かなり濃そうな色が出てきました。

 

ちなみにこのブルーベリーはこの夏庭で採れたもの。ジャムを作っても余ってしまったものを使用しています。

 

ブルーベリー染め

ブルーベリーの実を取り出します。

 

ブルーベリー染め

しぼりと媒染を終えた布を入れ、15分位ゆっくり動かしながら染めます。

子どもは「おもしろーい!」と楽しそうに染めていましたが、思った以上に濃いブルーベリーの染液が飛び散るたびに、こちらは内心ヒヤヒヤ…。汚れたら困る箇所には、新聞紙などを敷いた方が良さそうです。

 

ブルーベリー染め

取り出して水洗いし、絞って水気を切り、しぼりの輪ゴムや洗濯バサミなどを外します。

 

しぼりを外して広げる時が一番盛り上がりました!「なにこれ!こんな模様になると思わなかった!すごいね!」と子どもも感心していた様子。

 

 

広げて乾燥させたら、ブルーベリー染めの出来上がりです。5つのしぼりは、それぞれどんな模様になったかな?

 

ブルーベリー染め

①洗濯バサミで挟んだ部分が白く抜け、可愛らしい模様になりました!

 

ブルーベリー染め

②輪ゴムを巻きつけたところ全体が白くなり、大胆な模様に。

 

ブルーベリー染め

③ビー玉の周りだけが白く抜け、輪っかの模様ができました。

 

ブルーベリー染め

④紐で縛ったところが白く抜け、ボーダー柄に。

 

ブルーベリー染め

⑤ハンカチ全体にまだらに色がつきました。不規則な感じが面白いですね。

 

 

ブルーベリー染め

植物の持つ色のパワーを感じる、ブルーベリー染め体験でした!

 

 

 

 

さいごに

今回は、ブルーベリーを使った染めものをご紹介しました。

子どもは自分で染めたハンカチがお気に入りになったようで、外出の時にはいつもポケットに忍ばせています。

 

ブルーベリーは割と想像していたような紫色に染まりましたが、他の植物だとどんな色に染まるんだろうと俄然興味がわいてきました。どんぐりなどでも草木染めはできるので、秋には秋の植物や実を使ってまた挑戦してみたいですね。

 

自由研究や残り少ない夏の思い出に、ぜひ親子で季節の草木染めにチャレンジしてみませんか?

 

参考:偕成社『花・木の実・藍・野菜・葉っぱの かんたん染めもの』 春田香歩著

この記事をシェアする

一覧に戻る