2022.09.13 up
おじいちゃんおばあちゃんと一緒に遊ぼう!なつかしい伝承遊び[親子のための今月のRemind]
9月の第3月曜日は「敬老の日」。おじいちゃんおばあちゃんに日頃の感謝を伝え、長寿や健康を祈ります。
プレゼントを贈ったりパーティを開いたりと、家族そろって楽しく過ごす方も多いことでしょう。そんな時には、子どもからお年寄りまでみんなが遊べる昔ながらの「伝承遊び」をするのもおすすめです。
伝承遊びとは、人から人へと代々伝わってきた遊びのこと。地域や家庭、学校などで長い時間をかけて伝承されてきた遊びには、ゲーム機やスマートフォンにはない、人のぬくもりや楽しさがあります。そしてその楽しさは、おじいちゃんおばあちゃん世代こそが知っています。
おじいちゃんおばあちゃんに教わりながら、世代を超えたふれあいの時間を楽しんでみましょう!
やってみよう!伝承遊び
体を動かして外で伸び伸びと遊ぶもの、季節の自然を取り入れるものなど様々な遊びがありますが、今回は、家の中で気軽に遊べるものをいくつかご紹介します。
※地域によってルールは異なりますが、ここでは一般的なものを例として紹介します。
おはじき
ガラス製の平べったいものをおはじきと言いますが、元々は小石などをはじいて遊ぶものでした。中国から日本に伝わり、平安時代の貴族の遊びでもあったようです。
<基本の遊び方>
①適当におはじきをばら撒きます。
②ジャンケンをして、はじく順番を決めます。
③取りたいおはじきと、はじくおはじきを決め、おはじきに触らないように間に指で線を引きます。「しきり」と言います。
④しきりをしたおはじきを指ではじいて当て、もう一度しきりができたら当たったおはじきを取ることができます。
⑤しきりの時におはじきに触ってしまったり、はじいたおはじきが当たらなかったら交代します。
⑥最後の一つの際は、目を閉じておはじきの周りに人差し指で円を描き、人差し指と中指を開いておはじきをまたいで線を引きます。おはじきに触れなければ取ることができます。
⑦一番多くおはじきを取れた人が勝ち。
だるま落とし
正月遊びとしてもお馴染みの、伝承あそびの一つです。シンプルな遊びながら、力加減や叩く速さなどに意外とコツが必要で、大人も夢中になってしまいそうです。
<基本の遊び方>
①円柱のつみ木を積んで、一番上にだるまの顔を乗せます。
②小槌を使って、だるま以外の積み木を横から叩いて、一つずつ抜きます。
③だるまが最後まで倒れなければ成功です。
お手玉
市販のお手玉もありますが、昔は自分で布を縫って小豆を入れておはじき作って遊んでいました。おばあちゃんに教わりながら、お手玉を手作りしてみるのも楽しそうですね。
<基本の投げ方(2つ投げ)>
①両手に一つずつお手玉を持ちます。
②右手のお手玉を左手に向けて放り投げます。
③投げたお手玉が落ちてくる前に、左手のお手玉を右手に渡します。
④落ちてきたお手玉を左手で受けます。
②〜④を繰り返します。
最初はゆっくりと練習し、素早くできるようになったら、お手玉を3つ4つと増やしていきましょう。
3つの場合は右手に二つ、左手に一つ持ち、右手のお手玉を一つ投げたら、落ちてくる前に右手のもう一つと左手のお手玉を投げます。投げるタイミングと受けるタイミングが重要です。
めんこ
昭和に大流行した「めんこ」。漫画やアニメのキャラクター、スポーツ選手などの写真が描かれたものは大人気でした。厚紙やボール紙を丸や四角に切り抜き、張り合わせて厚みを出せば手作りめんこも作れます。好きな絵を描いて手作りするのもいいですね。
ひっくり返りにくい場合は、風を受けやすいようにふちを折ったり丸めたりと工夫してみてください。おじいちゃんがきっとコツを知っているはずです。
<基本の遊び方(オコシ)>
①みんなで数枚ずつめんこを持ち寄り、ジャンケンで順番を決めます。
②勝った人以外は床にめんこを置きます。
③勝った人はめんこを床に叩きつけ、風圧で相手のめんこを裏がえします。
④成功したらそのめんこを取ることができます。失敗したらめんこはそのままにして次の人に交代します。
⑤裏がえされた人は別のめんこを床に出します。失敗するまで続けることができます。
けん玉
たくさんの技が存在し、競技としても人気のけん玉。江戸時代に中国から日本に伝わりました。大皿、小皿、中皿に乗せたり、けん先に刺したりして遊びます。手先だけでなく、膝や腰など体全体を使うことがコツです。
<基本の遊び方(とめ大皿)> 大皿に玉を乗せる基本の技です。
①つり下げた玉を静かに止めます。
②軽く沈みこみ、けん玉を少し下げます。
②膝を伸ばしながら手を引き上げ、玉を真っ直ぐ持ち上げます。
③膝のクッションを使って、玉を大皿で受け止めます。
「もしもしカメよ」の歌に合わせて、大皿と中皿を交互に往復させる遊び方もあります。みんなで歌えば盛り上がりそうですね。
手遊び・手合わせ歌
リズムや歌に合わせて手を叩いたり手を合わせたりと、手を通してのふれあいを楽しめます。道具も要らないので、ちょっとした時間に気軽に遊べます。地域性が強く出るものなので、詳しい歌詞やリズム、手の動きは、おじいちゃんおばあちゃんに教えてもらうのが一番です。
<手遊び・手合わせ歌の例>
・おちゃらかほい
手合わせ歌の中の「おちゃらかほい」の掛け声でジャンケンをし、勝った人はバンザイをし、負けた人は両手を下げます。歌には終わりがないので、飽きるまで続けます。
・ずいずいずっころばし
手を軽く握って穴を作り両手を差し出します。ジャンケンで決めた親が歌いながら順番に人差し指をさしていきます。歌の最後に当たった人はその手を引っ込め、最後まで手が残っていた人が負け。
・おせんべ焼けたかな
数人で輪になり、手のひらを上にして両手を差し出します。ジャンケンで決めた親が歌に合わせて順に手を突き、歌の最後に突かれた人は手を裏返します。それを繰り返し、2回つつかれた手は引っ込め、最後まで手が残っていた人が負け。
さいごに
今回は、子どもには新しく、大人には懐かしい伝承遊びをご紹介しました。ここに挙げたもの以外にも、こま回しやビー玉、ベーゴマなど、たくさんの伝承遊びがあります。ぜひ、おじいちゃんおばあちゃんに得意だったものを聞いてみてください。
子どもたちが大きくなるにつれて、人と人とのふれあいを感じられる遊びの体験は減ってしまいます。敬老の日くらい、普段はあまりしない昔ながらの遊びを通して、おじいちゃんおばあちゃんとのふれあいを体験させてあげたいですね。
世代を超えて一緒に遊んだ楽しい時間は、忘れがたい大切な思い出として、子どもたちの記憶にもずっと残るのではないでしょうか。もちろん、おじいちゃんおばあちゃんにとっても、かけがえのない大切な時間になることでしょう。
敬老の日、何をして過ごそうか迷ったら、ぜひ伝承遊びを楽しんでみてくださいね!
(参考)
『なつかし遊び集』 編・発行:(財)日本レクリエーション協会
『親から子へ、手作りの遊びを伝える なつかしい伝承の遊び』 監修:多田千尋 発行:パッチワーク通信社
『こどもたちへ伝えたい… にほんのあそびの教科書』 編集:にほんのあそび研究委員会 発行:土屋書店