2020.10.29 up

[今月のRemind 10月編] 十五夜だけじゃない?十三夜にもう一つのお月見を楽しもう!

お月見といえば、有名なのは「中秋の名月」。日本人は昔から旧暦8月15日の満月を「中秋の名月」として眺め、月見を楽しんできました。「十五夜」という言葉は、旧暦8月15日の月であることが由来なのですね。ところでもうひとつ、「十三夜」という風習があるのをご存知ですか?「十三夜」について詳しく知って、もう一つのお月見を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

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2020.10.01 up

10月になるといよいよ秋らしくなってきます。ハロウィンなどのイベントの他、美味しい秋の味覚や紅葉など季節のお楽しみも盛り…

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十三夜は日本オリジナル

十五夜の月見は、平安時代に中国から伝わった「中秋節」がルーツとなっています。旧暦の8月15日に風流な宴を催し観月するこの「中秋節」を朝廷は公式行事としました。中秋節は庶民の間ではあまり普及しませんでしたが、室町時代になると、中秋節とは別に、豊作を祈願する厳かな行事として月見の習慣が庶民にも広まっていきます。

では十三夜と言うと、こちらは日本古来の月祭りとして、中国から中秋節が伝えられる前から旧暦の9月13日に行われていました。月祭りですが、秋の収穫祭のひとつでもあったと言われています。十五夜より十三夜の方が晴れる確率が高くすっきりとした夜空になることからも広まった風習のようです。中秋の名月の約一か月後なので、十三夜は「後の月」と呼ばれています。

十五夜のお供物といえば月見団子のイメージが強いかもしれませんが、初めは当時の主食だった里芋でした。そこから十五夜の月は「芋名月」と言われるようになります。対して十三夜の月は、この時期に収穫される豆や栗をお供えしていたので、「豆名月」や「栗名月」と呼ばれます。

 

 

縁起が悪い!?片月見

満月は年に12回訪れますが「中秋の名月」と特別な呼び名で呼ばれるのは十五夜の満月だけです。その他の満月は、明るい月「明月」と書きます。それだけ十五夜の月は特別な月だということでしょう。名月という言葉の意味を調べると、「陰暦8月15日または9月13日の月」と書かれています。そう、名月という称号は、十五夜と十三夜の月の二つにだけ許されているものなのです。十三夜は満月になる前なので少し欠けた月になりますが、十三夜も十五夜と同じくらい特別な月として古くから称えられてきたのでしょう。

十五夜を見て十三夜を見ないのは「片月見」といって、縁起が悪いとされていました。それだけこの二つの月見は古くから大切にされてきたのですね。今では十三夜の風習は馴染みがなくなってしまいましたが、ちょっと欠けた美しい月を眺めてみるのも風流でいいですね。

 

 

お供物はどうする?

十五夜のお供物は初めは里芋でしたが、稲作が盛んになると、里芋よりも米の収穫を祈願してお供物は米粉で作った月見団子へと変わっていきました。今ではお月見といえば月見団子のイメージがすっかり定着していますね。十三夜にお供えする月見団子の数は、諸説ありますが13個か3個。月から見て右側に置いてください。月から見て左側には、収穫した栗や柿、枝豆をお供えします。

また、お月見にはススキが飾られているのもよく見かけます。稲刈り後に行う月見では、稲穂の代わりに、同じイネ科の多年草であるススキが用いられました。それが今にも伝わっているのですね。

 

 

お月見といえば満月と思いがちですが、十三夜の少し欠けた月でのお月見も新鮮です。十五夜のお月見を楽しんだあとは、「片月見」にならないよう十三夜の月を見て、いつの時代も変わらない月の美しさを楽しんでみてください。子どもたちと一緒に月見団子を作ったり、ススキを探しに出かけたりしてもいいですね。

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